兜坂国の斎庭(後宮)は、神を招き、もてなす場。実体を持つ神々は豊穣と繁栄を招く反面、ひとたび荒ぶれば恐ろしい災厄を国にもたらす。地方の郡領の娘・綾芽は、親友の死の真相を探るため上京し、王弟の二藍と出会うのだか……。
神を宥め、抗い、望みを手にするため足掻く人々の和風ファンタジー。
作品特有の言葉や、読み方に最初は戸惑うものの、慣れてしまえばとても面白いです。
3巻が出る前にと読み始めたのですが、2巻も続けて読んでしまい、3巻もあっという間でした。
1巻は、出会いと友人の死の真相。
互いに持たなかったものに共鳴し、惹かれ合う二人。黒幕は誰なのか?滅国を逃れる事は出来るのか?最後までハラハラしました。
2巻は、気兼ねない立場を手に入れるものの、心の方向は違う所を向いていてもどかしい二人。
安易な希望なら持たない方がいい。やはりどこか諦めている二藍と、一緒にいられるように人間になる道を探す綾芽。現状、添い遂げられない、口づけも出来ないのは生殺しでは……?
3巻は、帝と妃宮・鮎名の関係性が好きでした。大自分の立場と覚悟をお互いに分かり合っている二人。
二藍と綾芽は、信じているものの突然足元が揺らぐカップルなので……。
そして、どうやら余計なことをして行った某神様により、不安が一気に増しました。
情報をまとめてみると。
神気の濃い神揺らぎには的が置かれ、的に矢が当たると玉盤神になる→滅国する
救いだという言葉は、もう苦しまなくてもいいという意味?
神揺らぎの多くは玉盤神になりたいと望むらしい。
的がない場合は、荒れ神になる。
隣国の王子もやはり只者じゃないですし、どうなるか楽しみです。