王族による共同統治に治められているイルバス。女王であるベアトリスは王宮を離れ、辺境の地リルベクにいた。
イルバスの統治者は、兄のアルバートとベアトリスの二人。2年頃には弟・サミュエルが成人し、三人の体制となる。しかし、兄と弟は対立し、仲の悪さを隠さない。ベアトリスは国の分裂を避ける為に、お互いの要求をかわし、リルベクに籠もっていたのだ。
しかし、周辺国の情勢が悪化し始め……。
微糖ロマンスなのは、ラノベ文芸だからなのか、この作品だからなのだろうか。冒頭で、これってそういう事ね!と期待したので。主従カップルとしては良いのだが、もう少しこう……。
ロマンス以外の面に顔を向けると、これは三人の兄妹の話だったんだと思います。
平等な王位継承権による共同統治。しかし、兄と弟の間には争いの火種があり、真ん中のベアトリスは均衡を上手く保たねばならない。賢く、強い女王でした。
兄の俺に従えという要求の真意が明かされた時、成る程と思ったものの、言い方がなぁ。
そうしたかったのなら、多分同じように育ってきた時点で道が分かれていたと思うよ。正しく兄妹だった。
祖母のアデールがどうして共同統治の形にしたのか、廃墟シリーズを読まねば。