ある日突然、大学生・翠の前に現れたのは、異世界の王子様。
アルフォンスと名乗った彼は、魔王を倒す力を求め、聖女を探しにやってきたという。
彼が元の世界に戻るためには『魔王の倒し方』を手に入れるしかない。 奇しくも、最近発売されたゲームが手がかりとなりそうで!?
ズボラ女子と尽くし系王子様のラブコメディ。
web版既読。聖女シリーズの内の一作品。
といっても、話しが続く訳ではない為、これ一冊で楽しめます。
アルフォンスが百年前に居た聖女の品を媒介に翠の元にやってきたのは、翠の姉・聖の存在でした。
しかし、姉はもう亡くなっている。行方不明からの白骨死体として。
姉の死によって、知らずに止まっていた時は、アルフォンスとの出会いによって動きだす。
行き場のなかったやり切れない気持ち。姉の恋人への恋慕。
二人で過ごす冬から春へと変わる時期に、凍っていた氷が溶けて、春の桜が咲くように。
いつしか掛け替えのないものになっていく関係性の変化が好きです。
あの時言った言葉や行動が、あー!成る程!となるラストでした。