かたすみの読書記録

読んだ本の感想記録(少女小説多め)。ときめきと自分の『好き』を探したい。

雨の魔術師 少女の恋と解けない呪い/白野大兎

その女の子は、雨を連れてやってきた。

雨の魔術師として二つ名を与えられ、有名だったシャロム。
しかし、突然魔力を失った彼女は、一転して学院の落ちこぼれになってしまい、尊敬していた師も姿を消してしまっていた。
退学を回避し、学院に残り続ける為には、昇格試験に合格するしかない。
二人一組のその試験、なぜか学院で優秀な先輩、ユエルにパートナーを申し込まれ……。


 
一緒に試験を受けて、課題に取り組み、お互いを知っていくうちに見えて来るもの。うーん、青春!
シャロムの師匠は、何故、姿を消したのか?
魔力はどうして消えたのか?
そして、魔術師狩りとは……?

赤い傘を差すおさげの女の子と、白髪のぶっきらぼうだけど根は優しい先輩って設定も美味しいんですが。
そのユエル先輩のご飯が美味しそうで。
たまごサンドに、マフィン、スクランブルエッグ……。
そんな一方で、本来の魔術が使えず、試験に不利なシャロムに声を掛けて、色々気にかけるのは理由があるでしょ?と気になって、所々察する場面に、にっこりしてました。
私も同じように勘違いしてたよ。

あとあと、弱そうになのに、女の子の方が強いってのも(力を取り戻したら尚更)、好きなやつですねーとなったので、ラストの展開も先輩と別れるシーンから好き。

魔術を使うのは、自分の為でも、誰かが望む為でもなく、誰かを想う心ってのも、とっても王道で良かったなぁと思います。

あの森にもまた訪れて、再生する希望がありますように。

BOOK☆WALKER