時は戦国。安土桃山時代。
物の怪付きの姫として噂される姫・蝶は、ある日石田三成と出会う。彼に言葉に俯かずに生きていこうと前を向き始める蝶は、いつしか恋心を抱き始める。しかし、時は無情にも二人を引き裂く。
一方、幼い頃、蝶に出会い救われ、恋願っていた男・本多忠純。失意の中にいる蝶を支えたいと思っていたが……。
再読。
石田三成については覚えていたものの、ラストはさっぱり忘れていました。
妖や術についての設定は、二人を出会わせる為に使われたようなもので、あまり必要性は感じられず……。折角習ったのに、蝶は術をほぼ使わないので。
後書きを見る限り、元々の作品からその辺りは、ばっさり削ったのでしょうね。
自分の行く末が分かってて、愛する人に幸せになってもらいたいからと、恋敵に頼む彼。
幼いころの思い出と、再会した時の思い出を糧に頑張っている忠純には申し訳ないのですが、三成の方が格好良いんですよね……。
侍女のさよが忠純の訪問に注意しなかったのは、今までの蝶の様子があまりにも辛かったからなのかな。聡いさよならば、敵対側の相手に対して警戒したと思うのだが。
他のお市、茶々、初の物語もまた読み返したいと思います。