かたすみの読書記録

読んだ本の感想記録(少女小説多め)。ときめきと自分の『好き』を探したい。

ウィザーズ・ブレイン1〜3/三枝零一

8年半振りの新刊発売で、賑わいを見せてる界隈。
いつか読みたいなぁ〜と、以前からリストに入れてたんですが、KUの対象に入ったので、この波に乗らなきゃ!と読み始めました。

SF×バトルアクション×人間模様!

大気制御システムの暴走により、地球は雲に覆われ、太陽の光は届かず、極寒の地へと変貌。
残った人々は《シティ》か、そこに入れなかった人々が外で集まり、残された資源を糧に生きている世界が舞台です。

i-ブレインと呼ばれるパソコンのようなものを脳に保有し、現実世界の情報に干渉する魔法士達による熱いバトルも読み応えたっぷり。

《シティ》の存続,生き残りを掛けて、それぞれが抱える正義と信念、生い立ちや立場、感情がぶつかり合うので、
「なんで……」
「身体大事にしてくれ」
「誰も悪くないのに……」(非人道的な実験以外)
と頭を唸らせてます。
残った人々で助け合えば良いじゃん!って思うんですけど、この《シティ》にも色々秘密があって……。そうはならないんですよね……。

完結の目処はあるので、未完の心配をしなくてokなのが良いところ。
最新刊の評判を少し聞いているので、この先の展開が気になります。


「続きを読む」からは、各巻の感想を少し。

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王と后/深山くのえ

初めて感じた、温かな気持ち

遠い昔、天女を迎え、神の力を受け継ぐ八つの家が支配する国、千和
突如として都から離れた天羽の家から、術の安定の為、巫女兼、后を迎えるようになって七十年。
時代の中で他家との確執は悪化し、天羽の娘は人質同然となっていた。

第六十九代千和王・一峰鳴矢の元へ嫁いだ天羽淡雪。実は彼女には天眼天耳、遠い場所の物事を、見て聞く力を持っていた。
思わぬところで、自分に惚れたと聞いてしまった淡雪は、戸惑いながらも彼を気にするようになるのだが……。


 
心を押し込め生きてきたヒロインが、真っ直ぐな気質の王様と夫婦となったことから始まる和風ファンタジーロマンス。

深山さんらしい作品でした!
「桜嵐恋絵巻」を思い出すなぁ。
1巻は巻数表記がありませんが、続きものです。

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私とコバルト文庫

読んだ本だけだと、昔読んだ作品とか、好きな作品を語る機会がないなーということで、まとめ記事。

第一回は、コバルト文庫
注意:古い作品とか、手に入りづらい作品も載せる予定です。
電子オリジナルは、また別に記事を書きたい。

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妖精の庭 薔薇の下で/一原みう

薔薇の下で交わされる秘密。

爵位を従妹に取られ、借金を抱えたメリン伯爵家のヴィクトルは、K男爵より、ある条件を達成すれば、借金の肩代わりするとの話を持ちかけられる。
その条件とは、異母弟・ユリアンの婚約者だった男爵の娘・アンジェリカを大公が待つ帝都に行かせること。
彼女は7年前に亡くなったユリアンとの約束の為、薔薇園のある屋敷に閉じこもっているというのだ。
説得の為、彼女の元へ向かったヴィクトルだったが……。


 
電子オリジナル。
妖精に薔薇を捧げると願いが叶う。そんな伝えがある地方。

このお話は、完璧な貴公子が出てくるわけではなく、応援したくなるようなヒロインもでず、ハッピーエンドなものの、もやっとしたものが残る貴族社会の人間ドラマになってます。

既刊「嘘つきたちの輪舞」収録、短篇「妖精の庭」(ヴィクトルの義理の兄・オレグが主人公)がありますが、物語としては単独でも楽しめます。

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片想い中の幼なじみと契約結婚してみます/神戸遥真

住所不定無職の危機に、目の前にぶら下がった婚姻届。

実家の酒屋で働いていた蟹谷朝香。しかし突如、兄がお嫁さんと子供を連れて帰ってくること聞かされ、家と職を失うピンチに。
飲み会で愚痴を溢すと、友人の碧の勢いによって、片想い中の相手・篠倉佑紀との婚姻届を書くことに。
その帰り道、佑紀は、祖母から早く結婚するようと言われていること。朝香が困っているなら、この婚姻届を出して、自分の家に住んではどうか?と契約結婚を提案する。
そばに居たい朝香はそれを了承するが……。


 
舞台は千葉県いすみ市をモデルとした、いるみ市。都心からはちょっと離れた港町。
のほほんとした田舎町で繰り広げられる恋模様は、時に商店街の人から揶揄わられたり、見守られたり、二人で人助けをしたり。
ちょっと休憩したいなって時にぴったりな一冊。

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