ミルヴィナは幼馴染みの男爵子息・ユージンに想いを寄せていたが、彼の弟の留学を機に疎遠になっていた。そして、彼には求婚をする令嬢がいるという。
叶わぬ想いと抱えていたミルヴィナだったが、社交場で偶然ユージンと出会い……。
電子オンリーの夢中文庫から。プランセの枠なのですが、このカテゴリがどうなっているのか不明です。
夏の間だけ過ごした百合の花が香る屋敷、幼馴染、身分違いの恋。
表紙イラストも二人の微かに触れる指先が素敵なんですよ。
しっとりとした雰囲気のある文章で、作品とあっていたのも良かった。情事のシーンも控えめ。
ユージンはとても不器用さんで、言葉が足らない為、ミルヴィナも悩む事になるのですが、恐らく本心は可愛くて仕方がないと思っていそうですし、照れてるのでは?と。
弟も彼女の事が好きで、自分よりも仲良くしている姿を見てきたら、躊躇したのも分かる。
惜しむらくは、ページ数が少ない為、父親の事件の件や、二人の令嬢の件など、足りてない部分が残念でした。