勢いで飛び出し、辿り着いた海辺の町。
行くあてもなく浜辺で座り込んでいたあやめに声を掛けたのは、紅茶店の開業準備中の秀二だった。近所の誤解によって『夫婦』のフリをする事にした二人。そんな彼らの元に訪れるのは、訳ありのお客様ばかりで……。
ほっと一息つきたい時に。
シリーズ1作目。
千葉の館山を舞台としており、距離的に行けなくもない私は行きたくなってしまいました。今は無理ですね……。
紅茶も飲みたい。
少々あやめがお節介かつ、勝手に不安になって爆発しているようにも見えてしまう……のですが、
お互い干渉しないようにと思っていても、一緒に住んでいる限り、知りたい、歩み寄りたいと思うのは必然かなと。
そんな欲に次第に振り回される、あやめ。
一方、不器用で神経質、基本シャットアウトだが、優しさを覗かせる秀二。
つっけんどんな言葉になるものの、見知らぬ人を泊めて居場所を渡す辺り良い人だよね。
他人と言ってしまえば終わりな関係は不安定で、脆い。
正反対な二人だからこそ、お互いに成長出来る部分もあり、二人が少しずつ歩み寄る姿をもう少し読んでみたいなと思う作品でした。