かたすみの読書記録

読んだ本の感想記録(少女小説多め)。ときめきと自分の『好き』を探したい。

傷心公爵令嬢レイラの逃避行 上/染井 由乃

王太子と婚約を控えていたレイラ。ある日、突然の事故によって昏睡状態になり、目覚めた時には2年の月日が経っていた。

両親から聞かされたのは、自身との婚約は破棄され、レイラの妹・ローザが王太子と婚約し、現在、身篭っているとの内容だった。

衝撃を受けたレイラは家を飛び出すが……。


魔法使いの溺愛、王太子の執愛。

歪んだ男二人に言い寄られる公爵令嬢のお話。

何時でも完璧な公爵令嬢として務めていたレイラの苦しみ。皆、レイラに求めすぎでは……。

母親の章もあるのですが、間違いに気付いたと思ったら、また戻りだしたので、いや違うでしょ!と頭を抱えてしまう。

飛び出した先であった魔法使いに連れられて、辿り着いた幻の都は、ただのレイラとして生きられる場所。しかし、呪いの存在が影を落とし、判明した真実によって絶望へと変わる。

このままハッピーエンドには行かせないよって感じが好きですね。

やっと自由に生きられると思って、運命の人かも?と持ち上げられて、徐々に好意を感じ始めたら、好きな人はレイラではなく、魂を求めている。"私"でなくても、良い……?という。

王太子もそこまで拗らせてたのか……!と狂気を感じる方向で。これはヤバイ。

でも、もし、予定通り嫁いでも、レイラを好き過ぎて美化している部分もあるから、お互いの壁はそのままだったかも。

心の内を話せていたら、変わっただろうが。

私としては魔法使い一択なのですが、どうなるのでしょうか。

下巻が楽しみです。