皇帝崩御。帝国内は小さな君主を抱き傀儡とし、主導権は移り変わった。それに意を唱える貴族達は反旗を翻す。鎮圧に対応することになったラインハルトは、この隙に同盟軍に攻め込まれては堪らないと一手を打つ。
自由惑星同盟内のクーデター勃発を予見していたヤンだったが、防ぐことは出来なかった。そして、敵となった組織の首謀者は、彼にとって予想もしない見知った人物だったのだ。
一気に政治の中枢へと駆け上がったラインハルト。
権謀渦巻く王宮で政治的駆け引きがあったかと思えば、一気に戦いへと舞台は移る。
某あの人については、退場する事を知っていたのですが、頁が進むにつれ緊張しました。
すれ違いを解消すれば良かったのか?あの時に良心に従えば良かったのか?
考えても線のない事ですが、喪失を抱え約束を果たそうとする彼の行く末が心配になります。
一方、自由惑星同盟。
支配から逃れて自由を謳っていたのに、年数が経つにつれ、権力を求め、人民に制限をかける人間が現れるところに、歴史は繰り返されるというか皮肉というか。
ヤンの冷静で一歩引いた視点が好きなので、そのままでいて欲しいですね。
容赦がない、過激な表現も多かった2巻に道行きを恐々としつつ3巻に入ります。
主人公が生き残ってくれれば……と願いつつ、文庫解説でもしかして……と思う。