帝国の遺産を挟んで、探偵と怪盗がラブバトル!?
父と妹、そして元求婚者である王子によって家を出された伯爵令嬢オクタヴィア。
祖母が遺してくれた王都の館に移り、相棒のハットを連れて探偵を始めることにする。
実は滅びた帝国の末裔であり、後継者である彼女は、呪われた帝国の遺産を回収することを目的としていたのだ。
しかし、道中、謎の怪盗に出会ったり、胡散臭い貴公子レイヴンに助手にして欲しいと言われたり!?
さばさば系のかっこいい(時にちょっとずれてる)ヒロインと楽しそうだからという理由で行動するヒーロー。
探偵と怪盗の追いかけっこという関係性が好きな方におすすめ!
逆に探偵であっても推理はしないので、そこは期待しないように。(そもそもの元となったweb版タイトルが「令嬢探偵は推理をしない、本当に」と知り、納得しました。)
そして、がっつりファンタジー。
舞台は天使が収めるアンゲルス王国。
王族の一部は翼を持っていたり、何百年も生きていたり。
しかし、元々は統一帝国が治めていたようです。
呪われた帝国の遺産は、時に悪影響を及ぼす為、天使によって封印が施される。
正常に使用出来るのは帝国の末裔だけ。
帝国の末裔と分かれば天使によって狙われる立場にいるので、祖母がどうして女王と親しかったのか?が不思議なところ。
亡国の女王として遺産を回収しようとするオクタヴィアの前に立ちはだかるのが、怪盗クロウ。何故か彼も帝国の遺産を使用出来てしまうんです。
そして、そんな彼とどこか胡散臭い雰囲気を持つレイヴンは同一人物なのでは?と勘づくものの、証拠がない為、捕まえない。
そこから始まる、なんとか手がかりを掴みたいオクタヴィアと、のらりくらりと尻尾を掴ませないレイヴン。探偵vs怪盗兼、助手のやり取りがテンポ良く、読んでいて楽しかったです。
その会話に入るツッコミ役、喋る帽子兼、帝国の遺産の管理者である頼れる相棒のハットもポイント。
彼がオクタヴィアの心を盗むのが先か、オクタヴィアが彼を捕まえるのが先か、二人の関係性が今後どう変わっていくのか続きが読みたいところです。