かたすみの読書記録

読んだ本の感想記録(少女小説多め)。ときめきと自分の『好き』を探したい。

穢れの森の魔女シリーズ/山本瑶

愛されたい少女の物語。

レイトリンの第一王女として生まれながらも、母である女王からは遠ざけられ、祖母の元で育ったミア。
森で拾った少年、キリアンと共に自由に生きてきたが、隣国の王子に出会い、恋に落ちる。
想いを交わす二人だったが、ミアの16歳の誕生日、祝福を授ける筈の巫女によって、『愛する人に感情を出せなくなる呪い』を受けてしまうのだった。


 
1巻「赤の王女の初恋」
2巻「黒の皇子の受難」

誕生日に受ける祝福の中に混じった呪いという出来事に、眠れる森の美女を彷彿とさせ、その他にも荊に囲まれた城、魔女、妖精といったキーワードが出てきてお伽話のようなのですが、ミアに降りかかる試練は過酷なもの。

どうなるの!?とハラハラしながら、ミアが成長していく姿を見守りました。
第一部完といった終わり方なので、続き欲しい〜!

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冥府の王は恋を謳う1 〜4/桧崎マオ

隠されていた姫の運命が動き出す。

ブルーメンタール共和国の元帥、ユリウス・アドラーが日本に滞在中の間、通訳兼現地秘書をすることになった歌恋。
キャリアアップのチャンスに意気込むものの、同じく選ばれた桐島の話を聞き、どうして自分が選ばれたのか?と不思議に思う。
そして、ユリウスと面会した歌恋は、彼に夢に出てくる青年の面影を見るのだった。


 
KUを見ていたところ、気になったので読んだ1冊30分ちょいで読めるシリーズもの。
1冊のボリュームが少ないので、現状、大きな話の動きもロマンスも無いものの、周囲の状況、日本とブルーメンタール国の関係性や、それぞれの思惑なども出揃い始めたので、そろそろ動き出すのでは?と期待してます。

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恋に至る病/斜線堂有紀

彼女はいつ、怪物になったのか。

自殺強唆ゲーム『青い蝶(ブルーモルフォ)』。
日本中を巻き込んだそのゲームのマスターは、一人の女子高校生・寄河景。
そんな彼女の幼馴染である宮嶺は、ずっと彼女の味方で、ヒーローでいる事を決めていた。
例え彼女が百五十人以上の人の命を奪ったとしても。


 
いつもだったら読まないタイプの作品ですが…….、いつもと違うを読んでみるのも良いんじゃない?
とKUに入ったので読んでみました。

で、

あまりにも自分が人の悪意に慣れてないことを痛感しました。いじめのシーンで回れ右しようと思った……。(面白い、面白くないを考える以前の問題)

それでも読み終えたのは、物語のラストであろうプロローグにどう帰結するのか?が気になったから。

はっきりと提示されるのではなく、こうだったのかもしれない、こういう見方もあるかもといった読者に委ねられてる部分があり、読む人によって捉え方は変わりそうです。

以下、ネタバレ有り感想です。

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おちこぼれ聖女見習いは、引きこもりな元英雄魔術師を連れ戻したい/永野水貴

英雄は何故、孤独を選んだのか。

落ちこぼれの聖女見習いのリシーは、かつて国の英雄と呼ばれ、今は長年、森の奥へと引きこもっている魔術師ヴェロスの元へ訪れる。
上の命を受けて、王都への帰還を説得する為だった。
何人もの人間が説得に失敗してきた通り、彼はリシーの言葉を跳ね除けたが、なんとか館に留まることに成功する。
彼の人となりを知るにつれ、リシーは疑問を抱くようになるのだが……。


 
夢中文庫アレッタ(全年齢)
現在、ピッコマで先行配信中。後々、他の場所でも配信されるのかな?

永野さんの新作、書き下ろしということで、楽しみにしてました。
しんみりとしたほのぼの系かと思いきや、シリアスをどすんと落としてくるの好きですよ。
察しはしていたのですが、急転直下で来るとは思ってなかった。

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