かたすみの読書記録

読んだ本の感想記録(少女小説多め)。ときめきと自分の『好き』を探したい。

冥府の王は恋を謳う1 〜4/桧崎マオ

隠されていた姫の運命が動き出す。

ブルーメンタール共和国の元帥、ユリウス・アドラーが日本に滞在中の間、通訳兼現地秘書をすることになった歌恋。
キャリアアップのチャンスに意気込むものの、同じく選ばれた桐島の話を聞き、どうして自分が選ばれたのか?と不思議に思う。
そして、ユリウスと面会した歌恋は、彼に夢に出てくる青年の面影を見るのだった。


 
KUを見ていたところ、気になったので読んだ1冊30分ちょいで読めるシリーズもの。
1冊のボリュームが少ないので、現状、大きな話の動きもロマンスも無いものの、周囲の状況、日本とブルーメンタール国の関係性や、それぞれの思惑なども出揃い始めたので、そろそろ動き出すのでは?と期待してます。

幼き頃にクーデターによって国を追われ、故国日本に戻り、自身の身分を知らぬまま生きて来た歌恋。
何も知らない無邪気なままの彼女ですが、周囲を巻き込み味方にしていく力は天性のもの。
とはいえ、仕事でそれは……という部分があるものの、先輩に当たるベテラン通訳者・桐島がきっちり叱ってくれるので安心。

クーデターを主導した父親、そしてそれに協力した息子のユリウス。
歌恋の父である国王を弑虐したことは、腐敗していたブルーメンタールを立て直す為だったとはいえ、彼女の幸せを奪った罪悪感もある。
大きな脅威になりうる歌恋を近くに置き、場合によっては排除する考えもある彼ですが……。
いつか、信念と恋の間で板挟みなるのかと思うと楽しみですね!

4巻では、歌恋の叔父と言われている檀叔父さんも何かありそうな予感を示したし、又、ブルーメンタール公国側で、ユリウスを狙う人物も動き出しそう。
とりあえず、期待して次の巻を待ちたいと思います。