異世界に転生した八重は、化け物に襲われ、かつて神だったという金虎・亜雷の封印を解き放つ。彼に振り回され、弟探しをするが、見つけ出した弟・栖伊は、本質を失い、異形へと化す病に罹っていた。
亜雷は、八重にならば救えると言うが……。
日本神話や現代の物を混ざり合い、怪異が身近にある和風異世界『此の世』
八重が現代からの転生者という事もあるのですが、世界自体に『奇物』として、ビール瓶や食器がオブジェのようにあるのです。
摩訶不思議。
元々購入予定でしたが、フォロワーさんの宣伝の勢いで、読むのを楽しみにしていた今作。
期待大で読み進めたのですが、これは面白いです!!
古事記とか日本書紀と、神話に触れておけば良かった……と思います。もっと楽しめたかも。
糸森さん特有の飴鞭展開も健在。
八重は怪異を抑える使者の役割を担っていたのですが、正直怖い。異形の化け物に襲われるってホラーでしょ!?あんな夜道廻るの怖い。
誰かに必要とされたい、愛されたい承認欲求を持つ八重は、本音や感情を飲み込む性格。
そんな彼女に亜雷は真っ直ぐに切り込み、時には辛辣に述べ、言いたい事はないかと問いかける。
少しずつ彼女が成長する姿に、幸せになって欲しいと思いますが、二人の関係はまだ信頼には至らず。亜雷にも抱える何かがある様子なので、気になります。
不安や疑念を「ひと匙分の泥」という表現好きだなぁ。
後、忘れちゃいけないのが、虎兄弟のもふもふ!
いいですよね、もふもふ。
兄弟の所持する太刀も、電子版のSSを読むとなんて愛らしい生き物(?)に思えます。
物語は始まったばかりで、まだこれから。続きが楽しみなシリーズです。