かたすみの読書記録

読んだ本の感想記録(少女小説多め)。ときめきと自分の『好き』を探したい。

花の輪廻の物語(1)ハナミズキの章/西條六花

王女と護衛騎士、許されない恋は……。

休戦協定により人質として出されたピューセルの王女・オレリア。
普段は離宮でひっそりと暮らしていた彼女だったが、大公の即位記念式典主席した際、刺客に襲われた大公を自身の『癒しの力』で救ったことにより、生活が一変してしまう。
以前危ないところを救ってくれた騎士・ゲオルクと再会し、護衛となった彼と少しずつ心を通わせていくが……。


 
想いあう男女が転生を繰り返すものの、どんな世界でも2人の間には障害があり……という全4巻からなる物語。
なので、今回ではハッピーエンドになりません!
悲恋です!!
ハッピーエンドが好きな方は諦めるか、5巻まで頑張るか……ですね。
(一部、ベットシーンの描写があるので、TLのカテゴリーに入れました)


煌びやかな王宮で息苦しいオレリア、大公直属の近衛騎士として過酷な訓練を受けて来たゲオルク。
立場は違えど自由の無かった二人が出会い、眠れない夜の息抜きのつもりだった中庭の散歩が掛け替えのない時間に変わる。
苦しみや悩みを吐露し、ゆっくりと育まれる二人の関係がとてもロマンティック。

馬上槍試合に挑むゲオルクに赤いリボンを渡すエピソードも二人だけの秘密でときめきます。


けれど、引っかかる部分もあって。

オレリアは王女という身分ではあるものの、母
親の身分が低いので、謙虚で王女らしくない人物。
だからなのか、「癒しの力」を使っても、また元の暮らしに戻れると安易に考えている。母親に止められていたよね?とツッコミたくなります。
中庭の逢瀬も、これ誰かに見られてしまうんじゃとハラハラしてた私です。決定的な言葉を言われてなくても、大公からアプローチは受けているので。

オレリアの考えや気持ちを汲み取らなかった大公なので、当て馬にすらなりませんでしたが、あの部屋で始まった時は流石に可哀想でした。


BOOK☆WALKER


*追記
転生を繰り返すお話として、こちらもあったなーと思い出し。
呪いを受けた英雄と、一緒に繰り返すことになった魔女のお話。
コミカルなやり取りがあるものの、転生するんだから、害を与えてもいいでしょ?という周囲の人達の多いこと。
重ねていく時のなかで深まる二人の絆。